なぜ人はハイリスクな状況下でのギャンブル性に興奮するのか?本能と釣りの関係

釣りのメカニズムを知る。

ギャンブルや危険な釣り等、何故人はハイリスクな状況下で行われる不確実性の要素を持った事に激しい興奮を感じるのでしょうか?

人が興奮を感じるその時人間の脳内に起こっていることを「ドーパミン」の効能という側面から検証してみます。

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Contents

人類がこの地球上で生き残ってきたのはドーパミンのおかげ?

前回まで、釣り人という人間の本能的な性とギャンブルによる脳の興奮のメカニズムについてお話してきました。

前回のお話

あなたは釣り中毒ではないですか?釣り人の脳内快楽物質ドーパミンとギャンブル脳の話

 

今回は、なぜ人はハイリスクなギャンブルシーンに興奮するのか?ということについて人間の祖先から受け継がれてきた「動物の本能」を参考にしながら検証していきます。

 

 

通常、何百万も浪費するギャンブル狂や命を落としかねない危険な断崖絶壁での磯釣りなど、普通の人から見たら狂っているとしか思えないようなことをなぜ当人達は平気な顔して(時には恍惚の表情を浮かべながら)できるのかというと、実はこれも脳内快楽物質「ドーパミン」が大きく関わっています。

 

そもそも、人間の祖先は昔狩りをして食料を調達して生きてきました。

人間だけに限らず全ての動物がそうですが、生き物は他の動物を捕食する瞬間が最も危険なシーンの1つなのです。

 

それは自分が食われるかもしれないからです。
ある物体をエサかと勘違いして近づいた小魚がチョウチンアンコウに食われたり、蜜の香りに誘われた虫が食虫植物に食われたり、罠だと知らずにエサを食べ人に捕まる獣など、動物の食欲という本能を利用して相手を捕食する行為は、この地球上で何千年も当たり前のように繰り返されてきました。

 

こんな状況が毎日繰り返されては当然知能の発達した動物(特に哺乳類)は脳が激しいストレスを受け参ってしまいます。

 

でも生きるためには食われるかもしれないという恐怖、プレッシャーを押しのけてミッションを遂行しないと、食料を調達できずに餓死してしまいます。

 

そこで動物の脳は進化の過程で素晴らしい能力を身につけました。

それが「報酬系」と呼ばれる脳内快楽物質「ドーパミン」の分泌です。

 

この「ドーパミン」が放出されることによって動物は一時的に全能力がアップします。

 

 

そして恐怖に打ち勝つメンタルまで備わります。

 

これは大脳が大きく進化した人間はさらなる効果があると言われています。

いわゆる火事場のクソ力などが良い例ですね。

 

この能力、つまりドーパミンのおかげで人類は過酷な自然界を制覇し、今まで生き残ってきたと言っても過言ではないのです。

 

ドーパミンとは本来自然と脳から出るありがたい物質なんですね。

 

しかしここである問題があります。

 

ドーパミンの危険な副作用

ドーパミンは一時的に超人的能力+強力なメンタルを手に入れることができますが、副作用もあります。

それが「依存」です。

アルコールやタバコ、過食、ギャンプルなどによってもドーパミンが放出されますが、過剰なドーパミンの分泌は人を異常な興奮状態にさせ、それが依存を引き起こします。

なぜか?

それは一旦依存になってしまった人がドーパミン不足になると、意欲が減退して無気力になったりするのでそれを避けようとさらなる刺激を求めて同じ行動を繰り返すようになるからです。

この報酬系からくる快楽物質ドーパミンの分泌は恐ろしく強力な快楽を人間にもたらし、なかなか1人では回復できなくなるほどのものです。

そのため人が何かの依存症になってしまうと自分の力で社会復帰することが難しくなるのですね。

 

釣りなどもドーパミンが放出される遊びです。

魚がかかった瞬間に大きな喜びを感じ、ドーパミンが出て興奮します。

よく釣り人が魚との白熱のファイト中「手や足が震える」と表現するのは、ドーパミンの大量分泌による異様な興奮状態をよく表していますね。

 

そして釣り終わった後も次のドーパミンを求めて、無限に同じ行動を繰り返すのです。

これが釣りという遊びの根源、正体です。

 

一度快楽を感じた釣り人の脳は、次に同じような期待値が高まると一定量のドーパミンを出すようになります。

 

いわゆる「当たり」というやつですね。

いつ来るか分からない。

「来るか?来ないか?いや次こそ・・・」

まだ魚が釣れていないのに目茶苦茶興奮します。

そう、これはパチンコなどの「リーチ」とまったく同じメカニズムなんです。

 

そしてそれらを繰り返しているうちに釣り人は同じ刺激に飽きてしまいます。

確かに毎回百発百中で魚が釣れたらちっとも面白くありませんよね。

釣り堀の釣れ過ぎるエサ釣りなどが良い例だと思います。

 

だから釣り人はより大物を狙うようになり、より難しい仕掛けや高度なルールで遊び、より危険なフィールドに出で立つようになるのです。

 

そしてそのうち超危険な断崖絶壁や荒波の押し寄せる磯などで釣りをしても平気になってしまうんですね。

むしろドーパミンによる喜びを感じているはずです。

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日常生活でも出てしまう脳内快楽物質、ドーパミン

さらにラリってしまった脳は日常生活においてもドーパミンを出してしまいます。

それが釣具屋での買い物やタックル整理中などです。

 

釣具を見ているだけで当たりのシーンを思い出し、少量のドーパミンが出てしまうのですから買い物も興奮状態になります。

明日の釣りの用意も興奮状態になります。

 

だから以前の私は釣りが好きすぎて、日常生活に支障が出ていました。

そしてそのことに頭を悩ませ、様々な本を読んで1人で深く考えた結果辿り着いたのが今回の釣り人の性、習性だったんです。

 

これに気付かずに釣りによる興奮だけを追い求めてエスカレートしてたら命がいくつあっても足りないと思います。

 

 

今回、釣り人の性を脳科学という位置から検証してみましたが、

この悪魔的な習性に気付かずに苦しんでいた過去の釣り作家たちも数多く存在します。

次回はそんなお話をしたいと思います。

つづく

作家アイザック・ウォルトン「釣魚大全」釣り界の聖書に残された釣り人の性

 

 

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