あなたは釣り中毒ではないですか?釣り人の脳内快楽物質ドーパミンとギャンブル脳の話

前回まで釣りは悪魔の趣味なのか?ということをお伝えしてきました。
今回は、釣りの魅力として語られる多くの事柄の根幹にある”あること”について以前私が深く考察し、辿り着いた1つの答えをお話していきたいと思います。
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釣りに限らず、人はだれでも夢中になってしまう「ある秘密のメカニズム」がある
前回まで、釣りという趣味の持つ裏側をお話してきました。
前回の記事はコチラ
↓
釣りは深刻な依存症や中毒になる快楽という要素を含む悪魔の趣味なのか
釣りの魅力ってなんでしょうか?
帰ってくる答えは釣り人によって様々だと思いますが、私は先に挙げた心理学、脳科学の文献や、後述する過去の釣り作家たちが残した数々の小説から1つの答えを紡ぎだし、次のように定義しています。
アンサーテインティ・・・
不確実性。
つまり「先の読めないギャンプル性」です。
これは次の瞬間何が起こるかわからないハラハラ・ドキドキの心理状態を指します。
浮きが沈む瞬間。
仕掛けの鈴がなった瞬間。
穂先にショックが伝わった瞬間。
引いてきたルアーにヒットした瞬間。
落とし込んでいたラインが急な変化を見せた瞬間。
こういった「瞬間」ですね。
この瞬間に、人間の脳内ではドーパミンが出ていることが科学的に解明されています。
だから「最高の瞬間を感じる」というキャッチフレーズのダイワさんは釣り人の性を良く理解していると思います。
なぜ私が釣りでドーパミンの出るメカニズムについて意識するようになったのかは前回記事でお話しした
という本の知見ですが、
そこにはギャンプル脳とでも言うべき、脳内快楽物質=「ドーパミン」がドバドバでる要素が釣りという趣味にタップリあるという事実が判明したのです!!!
この本には人間が過食、セックス、覚せい剤、ギャンブル、タバコ、アルコール、オンラインゲームなどにハマってしまう数々のパターンについて詳しく書かれていましたが、
その中でも私が引っかかったのが「スキナーの箱」と呼ばれる有名な鳩の実験です。
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ギャンブルと釣りの科学的関係を立証した実験
さてこの「スキナーの箱」という実験ですが、人だけに限らず動物はみなギャンブル好きということを教えてくれています。
実験内容はこうです。
ある2つの箱を用意し、
・Aの箱:スイッチを押すと必ずエサが出る
・Bの箱:スイッチを押すと不定期でエサがでる。
この箱をそれぞれ別に入れた2つの部屋で鳩を一定時間飼育し、学習させた後A・B共にエサを全く出さないようにします。
すると、Aの箱で学習した鳩はたったの2、3回でエサが出ないとスイッチを押すのを諦めたのに対し、Bの箱で学習した鳩は1日中スイッチを押し続けたというのです!
つまり、エサが出るか出ないかという「スリル」が鳩を興奮させ、何度もスイッチを押させる動機になっていたのですね。
このことから、動物は「確実な報酬」よりも「リスクを伴った報酬」に強く反応するということがわかります。
また、猿を使ったより高度で衝撃的な実験も紹介されていて、この実験ではエサが貰えるかもしれないという「予想外の光による予告」にサルたちは激しい期待感とともに激しいドーパミンの反応が確認されました。
しかも光の登場から一定時間後のエサが貰えるまでの間に、サルたちの脳内の反応は徐々に高まっていたというのです!
あれ・・・これって何かに似ていませんか?
そう、パチンコやスロットですね。
パチスロは当たるか当たらないか分かりません。
しかも当たりを予告する「リーチ」という光と音で演出する仕掛けがあります。
いわゆるギャンブルと言われるものは身銭を切るというハイリスクな状況下で「おしかった・・・」「当たりそうだった・・・」「次こそ・・・」と、猿のようにどんどんギャンブルにハマっていくわけです。
人間の脳は耐性がありますから、同じドーパミンによる快楽や興奮、刺激に次第に慣れてしまいます。
だからもっと強い興奮を求めてギャンブルに通ってしまい、己の快楽を優先するあまり家計が崩壊してしまうのです。
そして釣りも同じです!!
ウキが魚に突かれピョンコピョンコ反応するシーン、ルアーフィッシングでのショートバイトシーン、ぶっこみ釣りで穂先がググンと動くシーン、数え上げたらキリがないほど「リーチ」があるのです。
そしてそのシーンというか瞬間に脳内ではドーパミンが放出され、強く興奮しているのですね。
これらはみんな不定期で、不確実性です。
そしてさらに刺激に慣れてきた釣り人は、安全な防波堤釣りなどから行動範囲を伸ばし、より危険な山岳部の渓流釣りや絶海孤島である沖の磯釣り、断崖絶壁の地磯釣りなどに出かける訳です。
そして時に命を落とします。
釣り人にとって
「よりハイリスクな状況下でのギャンブル性」
これが最強の興奮材料なんです。
ではなぜこんな危険な性質が人間や動物に備わっているのでしょうか?
その点についても次回お話しましょう。
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コメント
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2019年 1月 03日
とてもとても面白く頷いてしまいました。
こういった視点からも釣りを考察される感性は素敵です。
本質を理解した上で趣味に夢中になる事も大事だと思いました。
他の記事も面白そうなのでじっくり拝見させていただきますね。
ありがとうございました(^^)
コメントありがとうございます(^^)
実は私自身このテーマで悩んでいたことがあって、そうしてたどり着いたのがこの記事の内容でした。
貴殿の仰るとおり、釣りの本質と向き合うことが大切だと思います。そうすればこれほど夢中になれる素晴らしい趣味は他に無いのではないかと思っております。今後ともよろしくお願い致します。