葛西臨海公園を守れ!2020東京オリンピックカヌー計画に署名で反対!

2020年に開催予定の東京オリンピックで多くの会場の建設計画が持ち上がっています。
そんな中、東京を代表する自然公園、葛西臨海公園がピンチに立たされ、都民の署名により候補地が変更になるまでの経緯を辿りたいと思います。
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葛西臨海公園をめぐる戦い
葛西臨海公園ってどんなところ?
葛西臨海公園は東京都江戸川区に位置する東京湾に面した都立公園です。
すぐ隣にはマグロの遊泳で有名な葛西臨海水族園があります。
私はここの水族園で泳ぐマグロたちを見るのが好きで、ダイナミックな彼らの動きを見ていると、少年時代に戻ってしまいます。
なので、過去にマグロのウィルスによる大量死が起こり沢山いたマグロたちがほぼ全滅しましたが、とても悲しかったです。
もとの水槽に戻るのに3年はかかるそうです。
私はマグロ見たさで水族園には関心がありましたが、葛西臨海公園のほうはあまり詳しく知りませんでした。
公園に興味を持ち調べていくと意外や意外、葛西臨海公園は80万平方㍍を誇る敷地に大きな樹木がいくつもそびえ、大変貴重な自然の残る野鳥や昆虫など野生動物たちのオアシスとなっていたのです。
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何が問題なのか?
今回の東京五輪開催でカヌーのコース地候補として選ばれた葛西臨海公園ですが、カヌー競技会場になることにより公園の3分の1がカヌー会場のため潰され、樹木の伐採や水路の改変などここに暮らす動物や植物たちへ致命的なダメージを与えることになります。
まずこの事態に声を上げたのが個人の力でした。
普段からこの公園の自然に親しんできた人たちが立ち上がり、日本野鳥の会を始めさまざまな財団、社団法人や団体が協力して反対署名を集め、東京都知事とオリンピック招致委員会に提出しました。
葛西臨海公園は東京都が管理している公園ですから、当時、埋立地を造成したときから数えて25年の歳月を共に歩んだ歴史をお上は大変詳しくお知りです。
当然このような事態に心を痛めたお役人さんたちもいて、東京都の中でも意見が割れさまざまな話し合いが行われたと思います。
なにせ、葛西臨海公園は東京都が世界に誇る都市の中の自然公園ですし、公園内には、樹木91種、野草132種、野鳥226種、昆虫140種、それに絶滅危惧種に指定されているクロツラヘラサギもいます。
もともと東京都の宝だったんです。
震災から立ち上がり、世界に向けて日本の再生をアピールして都民を始めとする日本人の希望を具現化する最高の機会を東京都は失うわけには行きません。
しかし、都内の貴重な自然を失っては長い目で見た時の都市としての価値が下がってしまいます。
正にジレンマだったと思います。
東京都の正しい判断で一件落着?
こうした団体や個人の活動と東京都の思いや願いがまとまり、カヌー・スラローム会場は葛西臨海公園から江戸川競技場や印旛沼などへの変更が決定しました。
これで葛西臨海公園の自然環境は守られたわけですが、この先はどうなるのでしょうか?
仮にどこかへ決まったとしても、環境への負荷が0ということはありえません。
1964年に開催された東京オリンピックでは神奈川県相模湖がカヌーの競技会場となり、非常に活気付いて周囲も沢山建物が建ちましたが、今はどこも閑古鳥が鳴いている状態です。
オリンピック自体は人間が生み出した最古の競技として、古代ギリシアから続く素晴らしい行事ですが、近代オリンピックのそもそもの目的は「世界平和」です。
私たち日本国民がこれからも豊かに繁栄していくために経済効果ももちろん大切ですが、この大きなテーマから考えると、環境への負荷を最小に造成開発し、かつ完全に元の環境に戻せる技術と経済力を日本は持っているのですから、諸外国の強引なアプローチとはまた違った、日本としての流麗な感性をいかんなく発揮して自然との共生を目指していってもらいたいものです。
2020年東京オリンピックは西洋を真似るだけのシンメトリー化された完成形のオリンピックではなく、日本庭園のような未完成の奥ゆかしさ、素晴らしさを世界に向けて発信する良い機会ではないでしょうか。
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