三浦京急三崎口小網代の森にアクセス。ここは現代に残された神奈川の秘境

神奈川県三浦半島、「小網代の森」。
ここは首都圏にありながら「奇跡の自然」とよばれる貴重なフィールドです。
この自然の流域生態系にはマスコット的な存在のアカテガニをはじめ水の綺麗なところにしか住めないホタルも多く生息しており、たくさんの生き物たちが暮らしています。
2014年に新たに遊歩道が整備され一般開放されました。
今回、奥さんやっとが行く気になってくれたので遊びに行ってみました。

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Contents

ここはどこ?とんでもない自然の宝庫、小網代の森

「小網代の森」は関東、東海地方で唯一、集水域の森林(源流)、河川(浦の川)、干潟が開発されずに連続して残されている自然環境と言われています。
それをわずか70ヘクタールという小さなスケールで完結しているところが凄いのです。
森、川、海のつながりが必要なアカテガニをはじめとして2000種とも言われる多くの生き物が棲んでいるそうです。

ここはかつては水田だったそうで、それが50年ほど前に放棄されゴルフ場の候補地にされそうになったところをここの自然の貴重さに気付いた神奈川県が保全を決めたんだそうです。
神奈川県は三浦の自然や、横浜市緑区の自然など多くの緑、自然を残そうとしている行政機関として好印象ですね。現在はNPO法人小網代野外活動調整会議のメンバーが明るく清々しい森と湿地を再生中だそうです。

 

夏休み期間などは、小網代で「アカテガニ放仔(ほうし)観察会」が定期的に開催されています。

各日50名ほどの限定イベントで、「森に住むアカテガニが夏の大潮の夜に一斉に海岸に集まり、お腹の子供を海に放つシーン」を見学するというものです。小網代の恵まれた環境だからこそ触れることのできる貴重な自然体験です。

申込みは「神奈川トラストみどり財団」で5月下旬頃から受け付け開始しています。

小網代の森へのアクセスは?

小網代の森へのアクセスは駐車場が無いため、公共交通機関を利用します。

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「京急三崎口駅」からバスで2つ先の停留所「引橋」下車で向かいます。
バスは本数が多いので問題ないでしょう。城ヶ島を目指す人の群れに紛れていけば間違いないです。笑 バス停から徒歩1分で入り口に到着です。

途中の貴重なお食事処発見

三崎口に着いてからランチできるところを探していたのですが、駅前にはあまりありませんでした。
小網代の森への道を歩いて行くと、なにやら怪しげな看板が・・・
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「ひげ爺?なんだそりゃ?」
付近には他にお腹を満たせるようなお店は無く、でかでかとランチ!と書いてあるので行ってみました。
大きな一軒家のような風貌の食事処のようです。
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通された席は庭を見渡すことのできるとても開放感にあふれた素敵な空間でした。
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そよそよと風が入ってきて、鳥のさえずりが聞こえてきます。
こんな静かなレストランがあったとは・・・。

メニューはたくさんありました。
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少々お高いと思いましたが、せっかく三浦に来たのでマグロをいただくことにしました。
私はネギトロ丼を注文しました。
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奥さんはマグロの漬丼です。
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どちらも油が乗ったマグロと大葉、大根、錦糸卵のハーモニーが、空腹を満たします。
とても美味しかったです。
ひげ爺、ごちそうさまでした。

お店を出ると綺麗なピンクとイエローの花がたくさん咲いてました。

20150607-7調べてみると、これは「ランタナ」という花でした。
熱帯アメリカ原産の外来種で、なんと「侵略的外来種」!?
熱帯・亜熱帯の地域では元気がありすぎて元からある植物を駆逐する恐れがあるとして、国際自然保護連合「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定されているうえ日本では環境省「要注意外来種生物リスト」に指定されている奴でした。
うーむ・・・綺麗なんだがなー。
本来は温かいところに咲く花で、野外で越冬は難しいのですが三浦西海岸周辺は温暖な気候なんでしょうか。

小網代の森への入り口は?

ひげ爺のお店の前の坂を下って行くとありました「小網代の森」入り口です。
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夜間は閉鎖されるようですね。まあ真っ暗でしょう。

20150607-9今のシーズンは朝8:30から夜19:00まで開放されているようですね。
ここから階段を下っていくのですが、想像を超えるうっそうとした森が私たちを出迎えてくれました。
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ここはほんとに神奈川県!?と思ってしまう森森森!
辺りは散策路以外全部緑一色です。
マイナスイオンMAX!ですね、気分がいい!
虫の多さを気にしていた奥さんですが、この日はあまりいませんでした。
途中から散策路と平行して細い小川が流れます。
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「浦の川」というそうですが、どこかのジャングルのようです。
川の水に少し油膜のようなものが浮いてますが汚れではなく酸化鉄の薄い膜で油ではありません。水の色が褐色なのは地中の鉄分をエサにするバクテリアに由来する鉄分で害はないです。

このように小網代は鉄分などのミネラルを始め動植物たちにとって栄養豊富なエリアで、生物多様性を豊かに支えています。確かにここをゴルフ場にするのはどうかと思いますね。

幼き頃の私をここに連れてきたら恐らく大はしゃぎで喜んだことでしょう。実際、他の家族連れの子供たちは大喜び、夢中で生き物観察をしていました。

 

湿地を通過する散策路

散策路を歩き始めて15分ほどで「まんなか湿地」というところに到着です。

20150607-13湿地にはたくさんの植物が茂ってました。どくだみの白い花が一斉に咲いていたのが印象的でした。
しばらく歩くと景色が開けました。
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なにか遠い昔にタイムスリップしたかのようなノスタルジックな感覚に包まれます。フーッと深呼吸して進みます。
横を流れていた小さな小川はすこし立派な流れになっていました。
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ここも、幼少時代にじいちゃんに川エビやカエル、おたまじゃくし、ザリガニ、小魚を網で採ってもらった懐かしい記憶が蘇ります。
ああ、じいちゃん、天国で見てるかな。

 

この日はとても良い天気で、抜けるような青空が最高に気分良く、散策するのにバッチリな気候でした。

小網代の森の入り口から歩くこと約40分。
さぁ、いよいよ干潟が見えてきました。
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三浦にこんな自然豊かな場所があったとは!

無事、干潟に到着です。奥には小網代湾のヨットハーバーが見えます。ここまでスニーカーでも問題なく来れました。湿地は岩場混じりなので普通に歩くことができます。

そこはカニ、ヤドカリ、小魚など小さな生き物たちの宝庫でした。訪れた時間がちょうど引き潮のタイミングだったので湿地まるごと観察できます。
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浦の川もここまで流れ込んできています。NPOのメンバーが保全活動していました。

干潟を良く見てみると青白い小さな生き物たちがなにやら一斉にダンスしてます。
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分かりますでしょうか?
アップしてみます。
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正体は「チゴガニ」。稚児蟹と書きます。稚児?稚児とは一般的に小さな子、寺院や祭りにおける子供、男色の対象とされる若年の男性の意味がありますが、なにか遠い昔の歴史ストーリーがありそうです。
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ちょうど求愛のシーズンだったようで、みんなでいっせいに白いハサミを振り上げる「Waving」と呼ばれる可愛い行動を取っていました。
動画で御覧ください。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=AcBkY-kU_5g
可愛いですね。
ダンスするのはオスのみで、メスに対するアピールです。オスは周りのオスのダンスに影響されるようで、ハサミを振り上げるタイミングが皆同じです。笑
メスはオスよりもだいぶ小さく、茶色っぽいのでよく目を凝らさないと発見できません。近づくと穴に逃げてしまいますが、じっとしているとまたすぐに出てきます。

小網代湾干潟からの帰りの道は?

三浦の大自然を堪能した私たちは再びバス停を目指します。

多くの人たちは行きに通ってきた散策路を引き返すコースと油壺方面に行くコースに分かれますが、私たちは3つ目のコース「北尾根入り口」を目指しました。
結果から言うと止めたほうがいいです。
私は全然大丈夫でしたが、奥さんがキャーキャーいうほど荒々しい獣道のようなところを通ります。笑
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もはや散策路ではありません。
急な階段もあり息も絶え絶えです。そりゃ尾根ですもんね…。
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北尾根←■→小網代湾 と表示された標識からさら北尾根方面に歩きます。
するとどうでしょう。
半袖短パンでは無理というレベルの道を通されます。
長袖で来たのが幸いでした。
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蜘蛛の巣も引っかかったので、今日は誰も通ってないということでしょう。この道で大丈夫なのかと不安になりながら黙々と進み、なんとか森を抜けるとやっと気持ちのよい景色が広がりました。
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遠くに相模湾を見渡すことができました。
もう奥さん、とんてもない道を歩かされて不機嫌状態でした。笑

帰りの青空が私たちに微笑んでくれていたようでした。
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私「また来よう!」
奥さん「もう来ない!」
あっはっは。

小網代の森散策はこうして私たち夫婦のちょっぴり冒険記になりましたとさ。
めでたしめでたし。

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自然が大好きなセイゴと申します。趣味は釣りです。そんな私が地球を取り巻く様々な自然の話をしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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